企業PRにはどんな方法がある?自社に合う届け方
企業PRにはどんな方法がある?自社に合う届け方を解説
「自社には伝えたい思いや魅力があるものの、何を発信すればよいのかわからない」「PRに取り組みたいけれど、どの方法を選べばよいのかわからない」と悩んでいませんか。企業PRには、プレスリリースやWebメディア、SNS、自社サイト、ラジオなどさまざまな方法がありますが、最初から特定の手段に絞る必要はありません。
大切なのは、誰に何を届けたいのかを考えたうえで、その内容に合った方法を選ぶことです。企業によって、伝えたい思いや事業の背景、届けたい相手は異なるため、適したPR方法も変わります。
この記事では、企業PRの主な方法とそれぞれの特徴、自社に合う届け方を考えるポイントを紹介します。発信したいことはあるものの、具体的なPRの進め方に迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

企業PRとは
企業PRは、自社の商品やサービスを一方的に宣伝することだけを指すものではありません。企業の考え方や活動を社会に伝え、顧客や取引先、地域、メディアなどとの関係を築いていく取り組みです。具体的な方法を選ぶ前に、まずPRが担う役割と広告・プロモーションとの違いを押さえておきましょう。
企業PRが担う役割
PRは「Public Relations」の略で、企業と社会やステークホルダーとの間に継続的な関係を築いていく考え方です。届ける相手は顧客だけではなく、取引先、従業員、求職者、地域住民、メディアなど、事業に関わるさまざまな人が含まれます。
企業の理念や活動、新しい取り組み、商品が生まれた背景などを発信することで、「どのような考えを持つ会社なのか」を知ってもらうきっかけになります。短期的な売上だけを目的とせず、企業への理解や信頼を少しずつ育てていく視点もPRでは求められます。
広告・プロモーションとの違い
企業PRと広告・プロモーションは、いずれも情報を届ける活動ですが、役割や伝わり方には違いがあります。広告は、企業が広告枠などを購入し、伝えたい内容を自ら発信する方法です。プロモーションは、商品やサービスを知ってもらい、購入や利用につなげるための活動を指すことが一般的で、広告や販売促進など複数の手法を含みます。
種類 | 主な考え方 |
PR | 企業の考えや活動を伝え、社会や関係者との関係を築く |
広告 | 費用を支払い、企業側が内容を管理して情報を届ける |
プロモーション | 商品やサービスを知ってもらい、購入・利用などにつなげる |
実際にはそれぞれが重なる場面もあるため、明確に切り分けられないケースもあります。目的に合わせて複数の方法を組み合わせることが現実的です。
企業PRの主な方法
企業PRには複数の方法があり、それぞれ届きやすい相手や伝えられる内容が異なります。流行している手段や知名度の高い媒体を先に選ぶのではなく、自社が何を伝えたいのかを起点に考えることがポイントです。代表的なPR方法として、次のような選択肢があります。
プレスリリース
外部Webメディア・コラム掲載
自社サイト・オウンドメディア
SNSでの情報発信
ラジオ・音声メディア
イベント・リアルな接点
それぞれの特徴を知ることで、自社の目的や伝えたい内容に合う方法を考えやすくなります。
プレスリリース
プレスリリースは、新商品や新サービス、イベント、新たな取り組みなどをメディアに向けて知らせる方法です。情報にニュース性があり、媒体側の関心と合えば、新聞や雑誌、Webメディア、テレビなどで取り上げられるきっかけになります。
ただし、配信すれば必ず掲載されるわけではありません。企業が伝えたい内容だけでなく、「なぜ今伝えるのか」「読者や社会にどのような関係があるのか」という視点も必要です。既存の活動と社会的な関心や地域の動きとの接点を見つけることも、発信の切り口を考える方法の一つです。
外部Webメディア・コラム掲載
外部Webメディアへの取材掲載や寄稿も、企業の考えや活動を届ける方法の一つです。業界メディア、地域メディア、専門分野を扱うWebサイトなど、自社と親和性のある媒体に掲載されることで、これまで接点のなかった人に知ってもらう機会につながります。
知名度の高い媒体だけを目指すのではなく、自社が届けたい相手が読んでいるか、企業の背景や思いを伝えやすいかという視点も必要です。
なお、費用を支払って掲載するタイアップ記事や記事広告は、編集部による取材・掲載とは性質が異なります。PR活動の中で活用する場合も、広告と編集記事を区別し、媒体のルールや法令に沿って扱うことが必要です。
自社サイト・オウンドメディア
自社サイトやオウンドメディアは、自社の考えや活動を自分たちの言葉で継続的に発信できる場所です。商品・サービス紹介だけでなく、開発背景、代表者の考え、導入事例、業界に関する知識なども蓄積できます。
掲載内容や公開時期を自社で決めやすい一方、記事を公開しただけで必ず読まれるわけではありません。検索されるテーマを考えたり、SNSや他の媒体から案内したりする工夫も必要になります。短期的な露出だけでなく、企業を知ってもらうための情報を積み重ねる場所として活用できます。
SNSでの情報発信
SNSは、企業の日々の活動や商品・サービスに関する情報を継続的に届けやすい方法です。新着情報だけでなく、制作の裏側、スタッフの様子、イベントの告知など、企業の人柄や空気感を伝える発信にも活用できます。
また、利用者からコメントや反応を受け取れるため、受け手との接点を持ちやすい点も特徴です。すべてのSNSを運用する必要はなく、写真との相性、文章の伝えやすさ、利用している人の傾向などを見ながら、届けたい相手や発信内容に合う媒体を絞ると運用しやすくなります。
ラジオ・音声メディア
ラジオや音声メディアは、声を通じて企業の考えや、話す人の雰囲気を伝えやすい方法です。代表者や担当者自身が話すことで、文章とは異なる形で事業の背景や取り組みについて伝えられます。
地域に根差した企業であれば、コミュニティラジオなど地域との接点を持つ媒体が合う場合もあります。ただし、企業PRだから必ずラジオを使う必要はありません。伝えたい内容が音声に向いているか、聞いてほしい人と媒体のリスナーが重なるかも見ながら、自社との相性を判断したいところです。

イベント・リアルな接点
展示会、体験会、セミナー、地域イベントなど、人と直接接点を持つこともPR方法の一つです。商品を実際に見てもらったり、担当者が説明したりできるため、Web上の情報だけでは伝わりにくい魅力を届けられます。
イベント自体を発信材料として活用することも可能です。開催前は告知、当日は写真や動画、開催後はレポート記事というように、一度のイベントから複数の情報を作れます。単発で終わらせず、SNSや自社サイトなどと組み合わせることで、その後の発信にもつなげやすくなります。
自社に合うPR方法の選び方
企業PRには多くの方法がありますが、選択肢が多いほど「結局、何をすればよいのかわからない」と感じることもあります。媒体や手法から決めるのではなく、PRで目指す状態や届けたい相手から考えることで、自社に必要な方法を選びやすくなります。
PRで目指す状態を決める
届けたい相手との接点を考える
発信内容と媒体の相性を見る
無理なく継続できる方法を選ぶ
必要に応じて複数の方法を組み合わせる
一つの方法に絞ることより、「何を、誰に届けたいのか」に合う選択をすることがポイントです。
PRで目指す状態
最初に考えたいのは、「PRをした結果、どのような状態になりたいのか」です。企業の認知を広げたい、活動への理解を深めたい、地域の人に知ってほしい、メディアとの接点を作りたいなど、PRに求めることは企業によって異なります。
目的が曖昧なまま「とりあえずSNSを始める」「プレスリリースを出す」と手段から決めると、何を目指して発信しているのか分かりにくくなります。最初から細かな数値目標まで設定する必要はありませんが、誰にどのように知ってほしいのかを言葉にしておくと、その後の選択がしやすくなります。
届けたい相手との接点
PR方法を選ぶときは、届けたい相手が普段どこで情報に触れているのかを考えます。地域の生活者と接点を持ちたい企業と、特定業界の担当者に知ってもらいたい企業では、適した媒体が同じとは限りません。
たとえば、業界関係者なら専門Webメディア、地域の人なら地域メディアやイベントなどが候補になります。SNSが向くケースもあれば、Web記事やラジオの方が自然に届く場合もあります。媒体の規模だけを見るのではなく、「届けたい相手がその媒体に触れているか」を基準に考えることがポイントです。
発信内容と媒体の相性
同じ企業のPRでも、伝えたい内容によって向いている媒体は変わります。新商品の発売など時期が明確な情報ならプレスリリース、背景にある思いやストーリーを丁寧に伝えたいならインタビュー記事やコラムなどが候補になります。
企業の日常や継続的な活動はSNS、自社の知識や考えを蓄積したい場合はオウンドメディアなど、情報の性質に合う媒体を選ぶことで、受け手にも内容が伝わりやすくなります。「PRだからこの方法」と決めず、伝えたい情報を起点に考えましょう。
継続できる発信体制
企業の考え方や活動を知ってもらうには、状況に応じて継続的に情報を届けることも必要になります。そのため、社内で誰が情報を集めるのか、誰が発信を担当するのか、どの程度の頻度なら続けられるのかも考えておきたいところです。
毎日SNSを更新することが難しい企業であれば、無理に頻度を上げる必要はありません。月に数回の記事発信や、伝えるべき出来事があるタイミングでのメディアへの情報提供など、自社の体制に合う方法を選ぶ方が続けやすくなります。
複数のPR方法の組み合わせ
PR方法は、一つだけ選ばなければならないものではありません。たとえば、新しい取り組みをプレスリリースで発信し、その背景を自社サイトの記事で詳しく紹介する方法があります。さらにSNSで記事を案内したり、イベントやラジオで思いを伝えたりすることも可能です。
それぞれの媒体には異なる特徴があるため、組み合わせることで複数の場所や機会を通じて情報を届けられます。ただし、最初から多くの媒体を使う必要はありません。伝えたいことと相手を起点に、必要な方法から少しずつ広げていくとよいでしょう。
何を発信すればよいかわからないときの考え方
PRを始めたいと思っても、「発信できるようなニュースがない」と悩む企業は少なくありません。しかし、PRの材料は新商品や大きな出来事だけではありません。企業の中にすでにある思いや経験を見直すことで、発信できるテーマが見つかることもあります。
事業を始めた背景や思い
企業や事業が生まれた背景には、代表者やメンバーが感じた課題、実現したかったこと、大切にしている考えなどがあるはずです。社内では当たり前になっていても、外部の人にとっては企業を知るための情報になる場合があります。
「なぜこの仕事を始めたのか」「どのような課題を解決したかったのか」と振り返ると、単なる会社紹介ではなく、その企業ならではの背景が見えてきます。思いだけを抽象的に語るのではなく、具体的な経験や出来事と結び付けることで、内容に説得力も生まれます。
商品・サービスが生まれた理由
新しい商品やサービスそのものだけでなく、「なぜ作ったのか」もPRの材料になります。顧客から寄せられた声、現場で感じた不便、既存の商品では解決しにくかった課題など、開発の背景には発信できる情報が隠れています。
機能や価格を並べるだけでは他社との違いが見えにくい場合でも、生まれた理由まで紹介すると企業の考え方が伝わりやすくなります。商品・サービスが生まれた背景まで伝えることで、機能や価格だけでは見えにくい、その企業ならではの姿勢を表現できます。
顧客に届けている価値
自社の商品やサービスによって、顧客にどのような変化が生まれているのかも発信テーマになります。単に「品質が高い」「対応が丁寧」と表現するのではなく、利用前にどのような悩みがあり、利用後に何が変わったのかを考えると、価値を具体的に捉えやすくなります。
顧客の声や事例を紹介できる場合は、企業側だけでは気づきにくかった魅力が見つかることもあります。ただし、事例やコメントを掲載するときは、必要に応じて本人や取引先の了承を得るなど、情報の扱いにも配慮が必要です。
日々の活動にある発信テーマ
PRの材料は、大きな発表だけではありません。地域での取り組み、社内で続けている工夫、顧客との関わり、新しい挑戦、イベントへの参加など、日々の活動にも発信候補となるテーマがあります。
社内では普通だと思っていた取り組みが、外部から見ると企業の個性として映る場合もあります。日々の出来事や取り組みを書き留めておけば、新商品や大きな発表がない時期にも発信候補を見つけやすくなります。定期的に社内の活動を振り返ることも、PRの材料を増やす方法の一つです。
企業の思いを伝わる形にするポイント
伝えたい内容が見つかっても、そのまま発信するだけで相手に意図が伝わるとは限りません。企業の内側にある思いを、受け手が理解しやすい形に変えることもPRでは大切です。言葉の選び方や具体例、表現方法を工夫しながら、伝わる形を作っていきましょう。
伝えたいことを言葉にする
相手にとって伝わる切り口に変える
事実や具体例で内容を支える
言葉・写真・音声を使い分ける
媒体を先に決めるのではなく、伝えたい内容に合う表現を選ぶことで、自社らしいPRにつなげやすくなります。
伝えたいことの言語化
企業の中では共有できている思いでも、外部の人にそのまま伝わるとは限りません。「品質を大切にしている」「地域に貢献したい」といった言葉だけでは、他社との違いが見えにくい場合もあります。
まずは、なぜそう考えているのか、実際にどのような行動をしているのかまで掘り下げてみましょう。うまく言葉にできない場合は、代表者や担当者へのヒアリングを通じて、経験や考えを引き出す方法もあります。企業の内側にある思いを、外部の人にも理解できる言葉へ変えていくことが最初の一歩です。
相手にとって伝わる切り口
企業が伝えたいことと、受け手が知りたいことは必ずしも同じではありません。自社にとって大きな出来事でも、その情報だけではメディアや顧客が関心を持ちにくい場合があります。
そこで考えたいのが、その情報が受け手にとってなぜ関係があるのかという点です。地域の課題に関わる活動なら地域性、業界の変化に関わる取り組みなら新しさや社会的な背景など、同じ出来事でも切り口によって伝わり方は変わります。事実を誇張せず、受け手が自分との関係を理解できる形に整えることがポイントです。
事実や具体例による裏付け
企業の思いを伝えるときは、理念や感情だけでなく、実際の活動や具体例を添えることで内容が伝わりやすくなります。「地域を大切にしている」と伝えるなら地域で行っている活動、「顧客の声を重視している」と伝えるなら改善につながった事例などが考えられます。
数値や実績を使う場合は、確認できる情報を正確に記載することも欠かせません。魅力的に見せようとして表現を強くするより、具体的な事実を積み重ねた方が企業の姿勢を示しやすくなります。思いと事実を組み合わせて伝える視点を持っておきましょう。
言葉・写真・音声の使い分け
文章、写真、音声、動画にはそれぞれ異なる特徴があります。一つの内容をすべて同じ形で発信するのではなく、何を見せたいのか、どこまで詳しく伝えたいのかに合わせて表現方法を選びましょう。
背景や考えを順序立てて説明したい場合は文章、商品や空間の雰囲気を見せたい場合は写真、話している人の声や雰囲気を伝えたい場合は音声など、目的によって選択肢は変わります。動画であれば視覚と音声を組み合わせることも可能です。媒体を先に決めず、伝えたい内容から表現方法を考えることで、より自然な発信につながります。
まとめ | 自社に合うPR方法から思いを届けよう
企業PRには、プレスリリース、外部Webメディア、自社サイト、SNS、ラジオ、イベントなどさまざまな方法があります。手法の多さに振り回されず、「誰に何を届けたいのか」を起点に考えることが、自社に合うPR方法を見つける第一歩です。
何を発信すればよいかわからない場合も、事業を始めた背景や商品が生まれた理由、顧客に届けている価値、日々の活動を振り返ることで、発信の材料が見つかることがあります。そのうえで、内容に合った表現や媒体を選んでいきましょう。
企業の中にある思いや魅力を一緒に見つけながら、どのような形で届けるのがよいかを考えるお手伝いをしています。ラジオやWebメディアなど特定の方法を先に決めるのではなく、「何をどう伝えればよいかわからない」という段階からご相談いただけます。



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